マリよヨミよ私のかわいい子たち。
おまえたち 二人の力を合わせ
この宇宙の中で もっとも美しい地に
何者にも屈せぬ 強気命を産み落とし
そして 育みなさい。
さあ 旅立つのです。

宇宙の創造主は二人の神を産み出した。
二人の神の名は、マリとヨミ。
主の手から放たれたマリとヨミは、
ある時は戯れ、ある時は諍い、
またある時は深い瞑想に耽りながら
悠久の時間と空間を旅していった。
やがて二人の神はお互いの目と目で語り合った。
「あれがよかろう」
「行きましょう」
二人の神は青い星へ降り立ち、一つの世界を創造した。
その世界を人々はこう呼ぶ。
「ジパング」と。

強く、美しい、ジパング。
そのジパングに、ある時、暗黒ランと呼ばれる巨大な花が出現した。
暗黒ランとは、伝説の地底国「根の国」に咲くと言われる巨大な植物である。
「根の国」の王であるヨミは、暗黒ランの茎を伝って地上に現れ、
「根の一族」の怪物たちを操り、瞬く間にジパングを制圧していった。
全土が侵略されるかと思われたその時、どこからともなく現れ、
怪物たちに挑んだ者たちがいた。「火の一族」である。
「火の一族」を「根の一族」との戦いは数千日の長きに渡った。
そして、長く激しい戦いの末、「火の一族」は「根の一族」を倒し、
七本の聖剣でヨミと暗黒ランを地下深く封じた。
が、「火の一族」もまた、その戦いの中で滅んでしまったという。

そして、千年の平和な月日が流れた。
人々の記憶から暗黒ランの悪夢は忘れ去られ、
「火の一族」はもはや伝説の存在となった、その頃・・・・・。
暗黒ランとその封印である七本の聖剣の存在を知り、
野心を燃やす一人の男がいた。
ジパング西方・大和地方の支配者タイクーンである。
「ヨミと暗黒ランの力を利用すれば、
ジパング全土はタイクーン様のものとなりましょう」
腹心の三博士の言葉を信じたタイクーンは、
七本の聖剣すべて抜き去る決意を固めた。
封印を解かれたその時、ヨミと暗黒ランは再び地上に復活する。
千年前の悪夢が、今、ジパングで繰り返されようとしている。

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